メールサーバーの引っ越し

2022-08-26
KumanoWeb

各種クラウドサービスへのメール機能移行

  • Google Workspace を導入して Gmail で会社のメールを送受信したい。
  • Microsoft 365 を導入して Outlook (Web 版) で会社のメールを送受信したい。
  • その他各種 CRM サービスやグループウェアに付属のメールサーバー機能に乗り換えたい。

このような場合に当社ではお客様に代わって、現行メールサーバー(例えばレンタルサーバーなど)から新メールサーバーへの乗り換え(引っ越し)をお手伝いさせて頂きます。

大まかな手順

移行先がどのサービスであっても、手順は概ね共通です。

ドメインの追加

移行先サービスへドメインを追加します。例えば Google Workspace であれば、管理コンソール内にある「ドメインの追加」を選択します。サービスによっては「ドメインの接続」のような呼称の場合もありますが内容的には同じです。

ドメインの所有者ステータス認証

ドメインの追加に続けて、新規追加したドメインの所有者であることを確認するステップが入ります(ドメインの所有者ステータスの認証)。所有権を確認しないことには、誰でも好き勝手に他人のドメインを追加できてしまうことになりますので、どのサービスでも必須のステップです。

認証の手順としてはドメインの DNS レコードを利用した方法が一般的です。まず移行先サービスにて、認証用に発行された(長い)文字列をコピーするよう指示されます。そしてその情報を今度はドメインの管理サービスが提供する DNS 設定画面にて新たな DNS レコードを作成、先ほどコピーした文字列を「値」として指定します。具体的にどのレコードタイプを選択するか、などは移行先サービスにより異なります。TXT レコードを利用する場合が多い傾向にはありますが、異なるケースもあります。

いずれにしても移行先各社に詳細な手順書が用意されているのが普通ですので、それに従って設定を行うことができます。

(注)MX レコードの設定変更は、この時点ではまだ行わず、次のセクション以下にあるとおりまずは計画策定を行う。

メールサーバー切り替え前の準備・計画

ドメインの追加が済んだら、あとは実際にサーバーの切り替えを行うことが、すなわちメールサーバーの引っ越しとなります。そして「切り替え」とは具体的にはさきほども触れた DNS レコードの設定変更操作を指します。(通常は MX レコードの設定変更がこれに該当します。)

ただしそこへ進む前にまだ予め準備しておかなければならない点がいくつかあります。どの組織でも恐らく必須となるであろう項目として以下が挙げられます:

  • 切り替え日程の計画
  • 移行先サービスでのユーザーアカウント(メールアドレス)の作成
  • 切り替えの実施
  • 過去のメールデータ移行(必要に応じて)

切り替え日程の計画

先述のとおり「MXレコード」の設定変更を行うと、直ちにメールサーバーが「切り替わり始める」ことになります。これが始まってから完了するまでに数時間~丸一日程度かかる可能性があります。

つまり切り替え操作は一瞬で済むのではなく、少なくとも数時間の間はメールサーバーが「切り替わっている最中」の状態となります。この間、新旧どちらのサーバーにメールが届くかわからない状態がしばらく発生します。

したがって、サーバー切り替えのタイミングを決める際には、ビジネスの状況をよく考慮した上で最もリスクの少ない日程を選択することが重要です。例えば繁忙期真っ只中など、ただでさえメールの処理が追い付かないような状況でわざわざサーバー切り替えを実行することは得策とは言えません。

ユーザーアカウントの準備

これは忘れがちです。移行先サービス(新メールサーバー)に有効なメールアカウントが存在しなければ、メールが配信されずにビジネスの重要なメールを失いかねません。基本的には旧サーバーの方に存在しているメールアカウントの全てを新サーバーでも有効にする必要があります。(ついでにメールアドレスの整理にもつながります)。

移行先各社の提供するエイリアスメールアドレスなども活用しながら、必要なアドレスを準備しましょう。

サーバー切り替えの実施

準備が整ったら、事前に決めた日程に沿って実際にサーバーの切り替えを行います。これはすなわち、ドメインの管理サービスにて DNS レコードの設定変更を行うことを意味します。設定変更を行ったらすぐにメール送受信のテストを行います。通常は数十分から数時間内には新しいサーバーに切り替わります。ただし上述のとおり切り替えからしばらくは古いサーバーにメールが着信している可能性があるため、古いサーバーにも接続して受信ボックスのチェックを行います。

過去のメールデータの移行

これは必要に応じてということになります。また現在どのようなメールソフトを利用しているか、及び今後メールをどのような方法で利用するかの方針によっても、とるべき対応は異なります。一般論として、サーバー移行後も過去のメールデータをそのまま使えるようにするにはいろいろと手間がかかるものです。当社でもお客様から個別的なご相談を頂く部分であり、ケースバイケースで最適な方法をご案内しております。

おわりに

以上がメールサーバー切り替えの大まかな流れとなります。メールは特に外部とのコミュニケーション手段としては、依然として最も重要と言えるだけに、サーバー切り替えとなればその影響は小さくはありません。入念に準備・計画をして臨むことが得策です。

個別・具体的な手順や計画の仕方など、お気軽にご相談ください。また当社では、お客様のドメインが現在どのような設定(レコードの登録状況など)になっているかの簡単な調査依頼も承っております。